【シナリオの書き方】恋愛物語を盛り上げるたった1つのコツ(少女マンガの実例付き)

どのようなジャンルので物語であっても、恋愛の要素が含まれていることは多い。

今回は名作少女漫画のケースをもとに、恋愛物語を盛り上げる方法について考察する。

好きであったとしても付き合えないような大きな障害があると盛り上がる

恋愛物語なのだから、少なくとも途中から二人が相思相愛になるのは当たり前である。

それでもお互いに付き合ったり、告白したりすることに踏み切れない理由をつくると、「愛し合っている2人が結ばれない」という典型的な展開を作ることができ、これが物語の盛り上がりとなる。

恋愛物語の代表といえるシェークスピアの「ロミオとジュリエット」では、お互いに愛し合っているが、双方の家が対立しているために結ばれないという構図になっている。

現代の物語においても、二人の間に大きな障害があることで物語は盛り上がるし、その差を埋めることが物語の大きなテーマにもなる。

二人の間に大きな障害をつくるためには両極端な性質を持たせればいい

それでは、二人の間に大きな障害をつくるにはどうしたらよいか。

大きな障害を自然につくる方法として、主人公と相手役に極端に正反対な性質を持たせるという手法があげられる。

例えば、主人公がお金持ちで相手役が貧乏な場合、仮に相思相愛だったとしても両親の反対や相手役との人生観の違いが大きな障害となる。

主人公が優等生で相手役が不良な場合、周囲には反対されるだろうし、不良が退学しそうになり、そのせいで遠方に引っ越すことになるかもしれない。

もちろん、両極端の二人が出会ったときには、その価値観の違いからぶつかり合うことも予想できる。

上記のように、二人に両極端な性質を持たせると、自然と二人の間に大きな障害をつくることができる。

主人公と相手役の両極端な性質は「容姿以外」のほうが好ましい

現実では容姿に差があるため、付き合えないということがある(相思相愛であれば問題ないが……)。

容姿だけに差があるという理由では、物語にテーマ性を持たせにくい(容姿をテーマにする手段もあるが、かなり生々しい内容になると思われるため、とりわけ少女漫画では受け入れられにくいだろう)。

そのため少女漫画では、主人公の女性は下記のように描かれることが多い(絵では美少女であっても)。

  1. 悪くない容姿である(普通)
  2. 容姿は悪くないけど(性格など)大きな欠点がある
  3. 実はよく見てみると美人

主人公については上記のような容姿、相手役は標準以上の容姿にする。

そのうえで、二人の間にある性質ゆえにお互いが惹かれ合ったり、対立する様子を描くべきである。

ケーススタディ

花より男子

主人公、牧野つくしは「貧乏」。相手役、道明寺司は「大金持ち」。

最初は育ちの差による価値観の相違もあり、二人は対立する。しかし、相手役の道明寺司がつくしの生き方や姿勢に感動して好意を抱く。

物語の中盤以降からは明らかにお互い好意を抱いているが、身分の差ゆえに様々な障害が立ちはだかる(顕著なのは母親の反対)。

道明寺司の所属するF4は美男子の集団として認知される。

牧野つくしも容姿が特別劣ると描かれることはない。しかし、富豪のお嬢様などと比較され、非難されることから、いたって平凡な女子高生であることが描かれている。

君に届け

主人公、黒沼爽子は暗い性格・容姿。相手役、風早翔太は爽やかな性格・容姿。

爽子の容姿は前髪が長かったり、笑顔が苦手であったりするため、暗くみられ、貞子というあだ名がついている。

しかし、時折みせる本当の笑顔は魅力的であったりと、本来は魅力的であると描かれている。

風早翔太は強く容姿が優れていると言われることはないものの、爽やかな容姿、クラスの人気者であることが強調されており、主人公とは対象的である。

まとめ

今回は、主人公とヒロインに両極端な性質を持たせることで大きな障害を生み出し、恋愛物語を盛り上げる方法を考察した。

  • 主人公と相手役は極端に正反対の性質を持っている(金持ちと貧乏、優等生と不良など)
  • 正反対の性質を持っているため二人は対立したり強く惹かれ合ったりする
  • 正反対の性質を持っているためお互いが惹かれ合っているとしても大きな障害がある(親の反対など)

恋愛物語は最終的には惹かれ合う二人が結ばれるか、結ばれないかという結末で終わることが多い。

その過程の障害が大きければ大きいほど、物語は盛り上がるし、多くの展開をつくることができる。

そして、障害を自然に大きくするためには、二人の持っている性質を両極端にすればよい。

そうすることで、最初は二人が対立するし、その後はお互いが自分にないものを持っていてそれが魅力に映るという描写できる。

また、周囲から両極端な二人が結ばれることに反対する人物が出てくることもあるだろう。

そしてそれを乗り越えようと二人が努力するからこそ物語は盛り上がるし、結ばれたときに感動が生まれる。

上記を参考に、恋愛がメインでない物語でも二人の間の性質を考慮して、シナリオのクオリティを向上させる助けにして欲しい。

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