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中学時代から、同人ゲームサークルのシナリオライターとして、いくつかのシナリオを書いてきました。

実践も大切ですが、ぼくが大学時代に学問を勉強するようになったとき、なにをするにしても「理論」が大切であることに気づきます。

それは芸術であってもそうです。クラシック音楽の世界でも「コード進行」という概念や「ソナタ形式」という楽曲の構成の概念などが存在するのです。

ここではノベルゲームシナリオを書くにあたって、そうした理論やお約束を学ぶのに役立った書籍を紹介してきます。

どれもぼくが実際にお金を支払って、実際に読んだものです。ぜひ役立てていただければと思います。

初心者向け

ノベルゲームの作り方と最低限のシナリオの書き方が学べる『ノベルゲームのシナリオ作成技法』

まずノベルゲームシナリオに手を出してみようと思ったのなら、涼元悠一さんの『ノベルゲームのシナリオ作成技法』を読みましょう。

涼元さんはKeyの『AIR』や『CLANNAD』(ことみシナリオ)にも関わっていた方で、本書でも一部にそれを思わせるような記述があります。

学べること
  • ノベルゲームのシナリオライティングとは具体的になにをするのか
  • ADV形式・ビジュアルノベル形式とは
  • スクリプトとはなにか。音楽や絵はどのようにして組み合わせるのか
  • 基礎的な文法(例:「い抜き」・「中黒」と「三点リーダー」の違い・「漢字を開く」とは)

シナリオの構造を知る第一歩『ストーリープロット講座』

本ではありませんが、シナリオライティングについて、中級者へとステップを進めていくのであれば、知っておくべき知識がまとめられています。

初心者あるあるとして「プロットってなに?」「プロットなんていらないよ、さっさと書いたほうが早い」という考え方があります。まずはそこを脱することが中級者になるための第一歩です。

このあともたくさん紹介するのですが、下記サイトを作っているのは中村あやえもんさん。

シナリオの教材をなどを作成されている方で、過去には同人サークルCircle Mebiusを運営していました。そのサークルには、あのるーすぼーい氏(代表作:車輪の国、向日葵の少女・G線上の魔王)が所属していたこともあります。

そのサークルから何人ものプロを輩出した実績から、ノベルゲームシナリオライティングの知識について学べることも多いでしょう。

リンクストーリープロット講座

学べること
  • プロットは必要なのか。すぐにシナリオを書き進めてはいけないのか
  • プロットとはなにか
  • シナリオの構造を考えるときの代表的な「枠」はどのようなものか
  • 物語のテーマとは具体的にどういうものであるのか

中級者向け

ぼく自身は「初心者を脱しよう頑張っている初心者」である認識なので、中級者向けと思われる本を読むことが多いです。

ある程度の知識があって、それをもとにさらに発展させていくような書籍を紹介しています。

あらゆる物語に必要不可欠な恋愛要素のプロットの作り方『恋愛物語の作り方』

『恋愛物語の作り方』は、恋愛物語に限らず「恋愛要素」を含む物語全般に使える知識が身につきます。

アクションやSF、ミステリーでも、サブプロットとしての恋愛要素が含まれることは多分にありますから、前提として身につけておいてよいでしょう。

もちろん、ノベルゲームのシナリオでは、多くの場合恋愛ありきになりますから、必読の書といえます。

学べること
  • 恋愛物語のプロットをつくるためのシステマティックな手法
  • 恋愛が成立する心理的な背景
  • 恋愛物語の流れ、5つのステップ
  • 「女性が男性を好きになる場合」と「男性が女性を好きになる場合」の内容の違い
  • 三角関係・四角関係について

プロットをつくって物語にするという一連の流れを見れる『「ヒロインにばれてはいけない嘘」の作り方』

『「ヒロインにばれてはいけない嘘」の作り方』は、主人公がヒロインにばれてはいけない嘘を抱えているという物語のプロットの作り方についてまとめたものです。

特筆すべきは、このプロットの教材のなかで扱った例を実際に小説化している点。

その小説も合わせて読むことで「こんな風にプロットをつくって、こんな物語になるのか」というプロセスを体感することができます。

プロットを学ぶうえでも良い本ですが、上記の長所を持つ書籍が他にないため、特別な価値を持っていると考えています。物語としても非常に面白く、軽く読み始めたつもりでも、最後まで読み進めてしまうのではないでしょうか。

学べること
  • 比較的具体的な「ヒロインにばれてはいけない嘘」についてのプロット作成手法
  • プロットをつくって、物語を書くという流れを体感できる

盛り上がり、熱中して読んでしまう物語をつくるための『貴方のシナリオをもっと盛り上げる、五つのプロットテクニック』

若者向けに物語の盛り上げ方の手法を解説している書籍です。

既存のプロットに対して、盛り上がりが足りないと感じたとき、既存のプロットに組み込む形で物語が盛り上がるようにすることができます。

学べること
  • 物語の盛り上げ方の具体的な手法
  • 盛り上がる物語とはどういうことなのか

上級者向け

展開に困りやすい「第二幕」「物語の中盤」にヒントを与えてくれる『ストーリーの解剖学ーハリウッドNo.1スクリプトドクターの脚本講座』

ぼくがこの本に期待していたのは、プロットにおける「第二幕」、いわゆる「物語の中盤」の展開の作りにくさの打開策です。

いくつかの書籍を読んでも、物語の中盤は「みんなで試練を乗り越えていく」「根本的な問題を解決するための力を蓄えていく」といった表現で、序盤や終盤ほど具体的な内容が描かれていないという問題があります。

本書は物語の中盤で起こりうるイベントが記されており、上記の問題を解決するためのヒントがあると考えています。

とはいえ、本書は非常に分厚く、難解だと思われる部分も多く、例としてあげられる映画も古典的名作といってもいいものばかり。

手を出すには勇気が入りますが、しっかりと取得すれば「0から100」まで一定の技法を身につけることができるでしょう。

学べること
  • シナリオの発想はなにから始めたらいいのか。プレミスとはなにか
  • 物語に存在する22のステップ(他の書籍よりも細かい)
  • 物語を構成する諸要素とはなにか。それをどのようにしてつくるのか。

おもしろいゲームシナリオの作り方 ―41の人気ゲームに学ぶ企画構成テクニック

技術書を読んでいる方ならよく知っているオライリー社の本。

ノベルゲームシナリオに限定せず、ゲーム全般のシナリオについてまとめています。例としてあげられる作品には、ファイナルファンタジーXのような日本でも有名な作品から、海外の作品まで様々。

ノベルゲームの作品例としては「ひぐらしのなく頃に」が掲載されています。

ゲームにおけるシナリオのあり方や、その周辺の基礎知識をまとめて読みたい方におすすめ。これまで紹介してきた書籍のなかでも定番である「ヒーローズ・ジャーニー」といった技法についても章が設けられています。

学べること
  • ゲーム全般におけるシナリオとはなにか
  • ノベルゲームとして、分岐のないシナリオはゲームシナリオと呼べるのか

ストーリー作家のネタ帳シリーズ

番外編として中村あやえもんさんの「ストーリー作家のネタ帳シリーズ」を紹介します。

定番のプロットのアイデアがまとめられたもので、物語の発想に困ったときや似たようなプロットをつくろうとしたときに参照すると助けになります。

読んだものから紹介していって、後々解説も追加予定です。

ストーリー作家のネタ帳 イベント編1―キャラクターの王道プロット15種

ストーリー作家のネタ帳 イベント編3―人間ドラマ・人間関係の王道プロット15種

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